穏やかな娘の寝顔を見ては毎夜同じことを考えます。
“娘よ、お父さんが君にしてやれることは はたしてこれで充分なのか? 例えお父さんがどんなに頑張っても お母さんと同じようにはしてやれない。 ・・・・・”
家族三人で過ごした最後の穏やかな団欒は 病院での昼食でした。 娘が早く家に帰って来てねと手紙を読み上げ、家内もそうしたいとうなずいていました。 こんな些細な家族の団欒さえも二度と取り戻せない現実のもどかしさに言いようのない悔しさが込み上げてきます。 枯れ果てたはずの涙ですが、まだ残っているようです。